「セックスしたくてたまらない…セックスしたい…オナニーじゃない…打つ付けたい…」そう思いながらラブドールを抱えた。
じっとしていればなんとかなるものの、動けばむし暑くなるといった体感温度。そんなことはどうでもいい、そのまま抱えて風呂場に持ち込んだ。
洗浄しているときは平気。この後気持ち良いセックスが待っている。そう目玉にセックスのことばかりを映して洗浄に興じた。
手を洗剤で馴らし、ズボッと挿れた。ぐるぐるかき回し、サクッと水を注いだ。それを念のために二回繰り返した。そしてアナルもカビ生え対策のついでに水を注ぐ程度に洗った。さぁ、準備万端、椅子の上に置いてセックス開始。
野生に還ったかのように腰振りをした。これだ、これだ。この肉体に打ち付ける感覚。細胞が、自分の細胞が「これを待っていたんだ!」と叫んでいるかのよう。
そうして、溜まっていたせいかあっという間に弓のようにカラダを反らせながらイッてしまった。
ドクドクがナカで収まり、抜いた。そして訪れる賢者タイム。そそくさとホール箇所内部をガボッと洗い、ペニスを洗い、部屋に再び戻った。
しかし、そのとき一気に萎えてしまった。
「暑い」
すごく暑い。さきほどは動かなかったせいかそこそこ涼しかったのに。激しく動いたせいか「自分」も「部屋」もモワモワして蒸し暑いのだ。
扇風機を強にしても暑い。「エアコンに頼るしか…いや、節約のために…扇風機だけで…」
緑の花瓶が目に入り、これでササッと済ませばよかったと少々後悔してしまった。
いつもは暑いときは暑い利点を掲げて汗だくになるのを楽しんでいた。しかし、その日は違った。汗だくではなく涼しい状態を維持したいといった気分モードだった。そんなときにラブドールで勢いでセックスしてしまった。選択を誤ってしまった。目的とする気分を謝ると楽しめないことを悟った。
夏に、後始末後に、自身側だけでなく部屋も暑くならずに、モワモワせずに、涼しく終始できたのは電動オナホールだった。電動オナホールは夏に今回のとってもピンポイントな悩みを満たしてくれた。
そして逆に、扇風機をあえて切ってモワモワの中で運動するかのように激しいセックスでさらに蒸し暑く汗だくセックスを堪能する際にはラブドールがその役目を果たしてくれた。