「グラグラグラグラ…」
「止まらない…止まらない…!止まらない!!全然止まらない!!!」
延々に続いた。えんえんでは止まらなかった。えんえんえんえんに続いた。最初にグラグラした始めたときは「あと5秒ぐらいで揺れは止まるだろう」と思っていた。しかし、止まらない。老朽した激安木造アパート、今にも「パタンッ」と崩れ倒れる勢いだった。“北海道最強伝説”が逸話となってしまった。
「北海道に大きな地震なんて来ないだろう。」
「北海道に大きな地震なんて来ない!」そう思いながら過ごしていた北海道。その幻想が2018年9月6日砕け散った。
なんとグラグラが延々と続いたのだ。メタルラックのグラグラに似ていた。ラブドールを乗せて崩れないかどうか確かめる際に「メタルラックの上に乗ってグラグラ試していたとき」のグラグラが延々に続いた。
延々に揺れが続いている中、すぐさまラブドールを掛けているハンガーのことが気になった。案の定、グラグラ揺れている。
しかし、地震が止まらない。身動きが取れない。やっと地震が収まり、すぐさま避難準備を開始した。避難準備でラブドールのことを心配し続けている暇さえ持てない。
鳴り響く警報。追随するかのように鳴り響く火災アラート。ミサイル警報が出されたときに感じたあの「これから戦争が始まります!空襲です!避難してください!」「あっ!外に出たらあのキノコ雲が目の前に..!まさかまさか、核ミサイル。。」「あぁ…あぁ…終わった、北海道終わった…」といったあの焦燥感が再び訪れた。
「ダメだ。こうしているうちに再び大きな地震が来てこのアパートが倒壊して共倒れになってしまう」そう死に物狂いで避難準備こなしている中、パッと部屋が真っ暗になった。「停電」である。スマホのライトを頼りに避難準備を継続した。
避難準備が終わり、「さぁ外出」と思い、ふとほぼ真っ暗なその部屋を見渡したとき、驚いてしまった。なんと、34kgほどの激重ラブドールを掛けて吊るしていたパイプハンガーが「倒壊していなかった」のだ。