「よし!初ソープだ!」
今日は一大決心、身なりも整えて、新しいカッターシャツもパンツも肌着も100円ショップで揃えて、ドンキで新しく清潔なスーツも最安価で買って、さぁいざ出向!
と言わんばかりにソープ店のあるビル入り口に差し掛かろうとしたときに「やはり今日はやめよう…」と引き返したくなる瞬間に直面。入り口付近でたむろしている客引きの方々である。(そしてその問題はヘッドホンで対処できる。)
「ビル一階入りにくい…」
風俗が利用しにくいすべての原因はビル一階の客引き存在だといって過言ではない。風俗店は二階以上にある。しかし、そこにいくにはまず一階から入らないといけない。そしてその一階の入り口にたむろされているのだ。
入りにくい、非常に入りにくい。客引きの方々がいらっしゃるのは常ではないと知っていると言えども、よりによって初ソープのときにそのシーンに遭遇してしまった。獲物を見つけては狩らんと言わんばかりに待ち伏せされている。目を光らせている。しかし…
「せっかく準備したのだから…!」
せっかく100円ショップで新品のボクサーパンツを買ったのに、新品の肌着を買ったのに、新品のカッターシャツも買ったのに、引き返したらまた昨日と同じ日を過ごす羽目になってしまう。見え見えだ。未来が見え見えだ。違う明日が見たい。
「よし!声を掛けられたって関係ない!」そう踏み込もうときびすを返すものの…やはり再びきびすを返して往復ループに戻ってしまう。ループ、ループ、ループの連続。踵を返すループの連続。
「行こうか、帰ろうか…そうだ。音楽を聴いて考えよう…」
入ろうか入らまいか何度も往復しているうちに、ふと脳裏を横切った。「ソープ前にモチベーションを高めるために持ってきたヘッドホン」である。それをバッグからゴツめのヘッドホンを取り出して装着。これだ、これだ..まず落ち着こう、まずは…。
「燃える漢の如く入ればいいのだろう!」
「まずは気分だ、気分を直そう。そうして、スーパーサイヤ人のごとく、燃える漢と言わんばかりにメラメラ燃えながら直行すれば声なんて掛けられないだろう!」
そう思い、しばらく歩きながら突入の準備をしていった。だんだん、だんだん気分も高鳴ってくる。よし、くるぞ、くるぞ!この気分だ、この気分、よし!高まってきている!
そして、ふと立ち止まってしまった。突如のひらめきである。
「まさかこのまま…」
「まさか…このままのヘッドホンの姿で入っていけば声を掛けられないのではなかろうか…?」
往復歩きを止めるかのごとくその案が降ってきた。脳内で色々と組み合わせって生み出されたとは知っている、しかし、“降ってくる”と表現してしまいそうになるその降り方。
「これで入れるかもしれない…!」
「いや!たとえヘッドホンでも、ゴツめのヘッドホンでも無理やり声を掛けてこられるだろう…いや、もしかしたら!」
しかし、こんな一人話し会議をしているうちに出勤されている風俗嬢の方の待機時間も迫ってきている。出勤時間も迫ってきている…
「試すしかない!」そうしてその“ヘッドホン突破法”を検証すべく、立ち止まる足は再び歩調を早め、入り口に直行を決意。
「いざ突入だ!」
そうしてやっといざ突入。声を掛けられても無視をする、無視をするぞ、そう決め込んで突入していった。
きびすを返して引き返すループでだいぶ遠くに離れてしまっていたが、もう入り口に近い、近い、もうすぐ、もうすぐ。
しかし…“客引き対策のためだけにヘッドホン”なんて、楽しくない…。歩調が弱まっていく…
「いや!ヘッドホンをしたのは気分を高めるためだった、それを思い出すんだ!」気を取り直して再び歩調を速めていく。
「モチベーションだ、モチベーションを高めるためにわたくしはヘッドホンをしているのだ!」そう気を取り直し、風俗に行くに当たってモチベーションを高めんと言わんばかりに、音楽を聴きながら、音量を漏れんばかりに上げながら、風俗店のあるビルの一階へ、突入していった。
ゴツめのヘッドホン、そして漏れんばかりの音で。すると…
「すごい…声を全く掛けられない…!」
すると「飛んでいる鳥を視線で追うことしかできないかのように」声さえも掛けられずに突入できてしまっているではありませんか。
ゴツいヘッドホンであっけらかんと、あっという間に、スッと、声を掛けられることなく、そのまま入ることができてしまったのである。
まるで「速すぎて、声を掛ける隙さえ見当たらなくて、ただただ眺めることしかできない鳥の姿」のように。
今まで入り口付近で何度も引き返して「やっぱり、いやいややっぱりせっかく準備したのだから、しかし、入り口でテンション下がりながら入店するのも…」と何度も何度も往復していた行為が無駄だったと痛感した瞬間だった。
ヘッドホンでとんでもないサクッと問題を解決できてしまった。ネットで「客引きに言われて凹んだ」「客引きにまんまと引っ掛かってしまった」「客引きに連れてかれたのかな、連絡がない」といったのを見て戦々恐々としていたのに、ヘッドホンで一発で解決できてしまった。
「ありがとう、ヘッドホン」
そうして無事に、エレベーターを利用し、目的の風俗店のある階へと安堵しながら上がっていった。ありがとう、ヘッドホン。その感謝がエレベーターのドアが閉まり、上がっていくのと同時に感動が、喜びがこみ上げていった。
“客引き”で風俗店に入りにくい問題はヘッドホンで解決できる
「客引きの存在で入りにくい。しかも複数人でたむろされていて入りにくい。」その難題もサクッと解決できた方法、それがヘッドホンである。
「ゴツめのヘッドホンで、音が少し漏れんばかりにガンガン鳴らして前を向いて歩いてビル一階に突入すること」で声を掛けられることなく終始気分良く風俗を利用することができる。
そして、同時にモチベーションを高めながらさらに気持ち良く風俗店に、ソープ店に、店舗型の風俗店に入店することができる。そしてモチベーションアゲアゲの明るい表情で風俗スタッフの方に迎え入れられて、終始気持ち良く利用することができてしまう、ヘッドホンの助けによって。
「風俗のビル一階入りにくい!」は
ごついヘッドホンが手助けしてくれる!
ありがとう、ゴツいヘッドホン!